2015-08-21

Author:マスタ

【乗車記】人生初の深夜バス、青森発東京行のラ・フォーレ号でコミケに参戦してきた

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記事のタイトル通り、人生初の深夜バスでコミケに参戦してきた。青森発東京行きのラ・フォーレ号。かつて「水曜どうでしょう」の「5周年記念!深夜バスだけの旅」で、スーツ姿のミスターが単身乗り込み、足を負傷したことでお馴染みの、あのラフォーレ号だ。

 

8月12日20時30分 青森駅前

バスは21時出発。僕が青森駅前バスターミナルに到着したのは8時半。本日挑むラフォーレ号の姿は未だ見えず。時間に余裕があるので、駅前のファミマで戦闘糧食……もとい、三ツ矢サイダーとキシリトールガムを購入した。

買い物を終えてバスターミナルに戻ると、いかにも旅行者っぽい装いの皆様がわらわらと集まってきていた。40代くらいの小汚いオッサン
大声で騒ぐ津軽弁のババア共、噂通りの客層の悪さだ。意外にも僕のような学生の貧乏旅行らしき姿は見えない。

 

21時10分 バスが来た

弘南バスや青森市営バスが行き交う青森駅前バスターミナルに、JRバスの青いエアロエースがにゅるりと姿を現した。どうやらこいつがラフォーレ号のようだ。水曜どうでしょうでは、大泉洋が「どことなく都会の風を感じます」なんて言っていたが、確かにそんな気がする。なんとなく高級そうな外観だ。

ところで、現在時刻は21時10分だ。本来の出発時刻は21時だったはずだ。なんだ、ラフォーレさん、なかなかふてぶてしいじゃないか。

乗車受付が始まったので、スマホ、財布、さっき買った三ツ矢サイダーとキシリトールガム以外の全ての荷物をリュックに詰め込み、ラフォーレ号のトランクに放り込んだ。そうして係員さんにチケットを提示し、僕はラフォーレ号の車内へと潜入した。

 

さっそく乗り込む

21時15分、車内潜入。ラフォーレ号はひとつひとつの席が独立した3列シートで、そこらへんの観光バスなんかよりよっぽど快適そうに見えた。ブランケットも各席に備え付けられているが、流石にこのクソ暑い8月の夜に使おうとは思わない。

コンセントは全席完備。そこらへんを走っているちんけな特急列車や、少し旧式の新幹線なんかよりよっぽど気が利いている。ありがたいことこの上ない。

それじゃあさっそくスマホを充電……いや、ちょっと待て。

バスの中に持ち込んだ荷物を再度確認。まずスマホ、それから財布、三ツ矢サイダーとキシリトールガム。ACアダプターは下のトランクだ。なんてこったい、東京に到着するまでスマホが充電できないじゃないか。

 

シートの左右にはレバー状の物体が装備されていた。右のレバーを引くと、足元に備え付けられているフットレストが展開。流石は長距離深夜バス、乗客を快適な眠りへと誘うための工夫がなされているのが分かる。

で、問題は左のレバー。右がフットレストなのだから、きっと左はリクライニングなんだろうなぁとレバーを引いてみる。が、何も起こらない。

おかしいなと思い、もう一度左のレバーを思いっきり引っ張り、今度はシートにどっかりと体重を掛けてみる。が、やはり何も起こらない。

 

右のレバーがフットレストで、左のレバーは謎。この左右のレバーの他に、ボタンやらレバーらしきものの姿は見えず。左のアームレストがカタカタうごめいているので、もしかしてこれかと弄ってみるも、残念ながらただの折りたたみ式テーブルだった。

もしかしたら、元からリクライニング機能なんて存在しないのでは?とも考えたが、前の席の乗客のオッサンは涼しい顔でシートをリクライニングさせている。

 

それから、ドリンクホルダー的な存在も見当たらない。どうしよう、青森駅前のファミマで買った三ツ矢サイダーの行き場がないぞ。まさかラフォーレさん、僕に東京到着までの10時間を三ツ矢サイダーを抱えたまま過ごせと言いたいのか。

 

21時30分、発車

そうしてリクライニング難民、ドリンクホルダー難民と貸しているうちに、ラフォーレ号は「ドドドドドドドドドドド」と発車。なかなかの振動だ。百戦錬磨のどうでしょう班でさえ深夜バスには太刀打ちできない理由が納得できる。

車内放送で「狭い車内ではありますが、皆様どうぞお寛ぎください」なんて流れる。本当にその通りだ。物理的な狭さもさることながら、隣の席との間を仕切るカーテンのお陰で視覚的にも狭い。

 

21時50分、消灯

中央インターから青森道に入ると照明の照度が下げられ、青森JCTで東北道に合流したところで車内全体が完全に消灯。あとは朝までひたすら暗闇。暗くなると余計に閉塞感が強くなる。

しかしながら、室温はきっちり26度に保たれ、湿度も丁度いい塩梅。「5周年記念!深夜バスだけの旅」に登場した札幌ー函館間の深夜バス「オーロラ号」のように、湿気で窓が曇ったりすることもない。

 

3列シートで空調も効いててコンセントも使えてむしろ快適なんだけど

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

乗車前はぎゃあぎゃあ騒いでいたBBA共のグループも、消灯の頃にはすっかりと静まり返っていた。あまりにも静かすぎて、三ツ矢サイダーをフタを開ける際の炭酸の抜ける音が際立って大きな音に聞こえてしまう。正直恥ずかしい。

 

22時00分 駅メモで暇を潰す

車内は既に暗闇に包まれているが、21世紀を生きる現代人である僕が、22時前からそうやすやすと眠れるはずもなく。周囲の乗客も眠れないようで、あちらこちらからスマホの光が漏れてきていた。

 

そうだ、せっかくだから駅メモしよう。

駅メモというのはINGRESSのような位置情報ゲームで、ポータルが駅に置き換わったようなものだと考えればなんとなく想像は付くはず。

 

え?「そもそもINGRESSを知らない」って?

そう…まぁ…そうねぇ。

 

23:15分 岩手山SA停車

23時を過ぎた頃、岩手県の岩手山SAに停車。これから30分ほど休憩するらしい。乗務員さんが。乗客は外に出られない。

このラ・フォーレ号さん、なんと車内にトイレが設置されているため、SAでのトイレ休憩が省かれてしまっているのだ。つまり乗客は、東京到着まで10時間もの間、外の空気を吸うこともできず、ひたすら座席に座って過ごすことを強いられる。

ラ・フォーレ号さん、乗客をエコノミークラス症候群にでも罹らせるつもりなのか?

岩手山SAか 外見えないから辛いなぁ

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

 

23:45分 岩手山SA出発

おそらく法令かなにかで定められているものだと思われる、30分間に渡る乗務員休憩を終え、ラ・フォーレ号は再び東京へ向けて走り出す。

もうそろそろ日付も変わる頃なので、いい加減に寝ようかなーと思っていた矢先のこと、ラ・フォーレ号から伝わる振動が、これまでの「ドドドドドドドドド」から「ズガガガガアガガンアガガアアアッガガ」に変化した。

なんだ、いよいよ空中分解でもするのか。

眠れない。振動は激しくなる一方だし、何故か座席はリクライニングしない。ケツが痛いし、腰が病む。すぐそこまでやってきていた眠気を、ラ・フォーレさんはいとも簡単に吹き飛ばしてくれる。

 

0:55分 長者原SA停車

気がついたらバスが停車していた。どうやら少しは眠れたらしい。外はまだ暗いので、夜はまだ明けていない様子。感覚的には1時間半くらい眠っていた気がする。

ここはどこだろう。国見あたりかな。

 

とりあえず駅メモを起動し、最寄りの駅にアクセスしてみる。

古川って……。長者原か……。

まだ折り返し地点さえ過ぎていないのか……。くそぅ……くそぅ……。

 

2時10分 宮城県白石付近通過

再び目を覚ますと、ほんの少しだけ外が明るくなっている気がした。

いよいよ関東平野に入ったかな?駅メモを起動してみよう。

白石って……。まだ宮城県じゃん……。

 

窓側のカーテンを捲ってみる。外はまだまだ暗闇の世界。

もう一眠りしよう。寝ていれば楽だ。起きていると精神が蝕まれる。今寝れば、次起きる頃には福島県の南部あたりまで進んでいるはず。少なくとも安達太良SAは通過しているだろう。

 

駄目だ。完全に目が冴えてしまっている。

なんだか家畜になった気分だ。運搬車で運ばれる豚か牛か、あるいは鶏にでもなった気分だ。窓側と通路側、左右の視界を遮るカーテンが檻に見えてきた。

ケツが痛い。横になって寝たい。せめて体を伸ばしたい。頼むから次の停車で外に出してくれ。そうだ、もういっそのこと、通路の床で横になって寝てしまおうか。

家畜になった気分だ

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

今なら俺、豚と呼ばれてもいい… 東京に出荷される不幸な豚ちゃんです…

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

明日からベジタリアンになる

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

 

4時15分 栃木県矢板付近通過

今度こそ外が明るくなってきた。駅メモで現在地を確認すると矢板だった。ついに栃木県だ。

青森を出発してから7時間、ひたすら縦に長い東北地方を脱出し、いよいよ関東平野へ突入した。東京到着予定時刻は6時35分。いよいよ残りの乗車時間は2時間だ。

 

カーテンを捲り、だだっ広く開放的な関東平野の風景を見て思う。

どうして僕は青森なんかに生まれてしまったのだろう。せめて仙台あたりで生まれていれば、半分の時間と4分の1の交通費で東京まで遊びに行けたというのに。

市民所得を考えても、青森市と仙台市では年間80万円くらい違う。青森市民の平均年収は260万円くらい、対して仙台市民の平均年収は340万円くらいだ。それでいて物価は東京だろうが仙台だろうが青森だろうがたいして変わらない。Amazonの商品の値段は全国共通だ。

単純に考えて、仙台市民は青森市民より年間80万円得していることになる。80万円あれば、仙台と東京を高速バスで100回以上往復できるし、青春18きっぷが67枚買えるし、ゲーミングPCが4台組めるし、電動コンポを搭載したカーボンロードが買えるのだ。

関東平野…住みてえなぁ…

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

関東勢はこんな思いしなくてもコミケ行けるんだよな…

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

 

5時半頃 おそらく羽生PA停車

カーテンを捲り外を覗くと、ラ・フォーレ号は利根川橋を渡り、埼玉県へ突入しようとしているところだった。空はすっかり明るくなり、雲で覆われ真っ白。寝ている間に雨が降っていたらしく、窓には水滴がビシーッと付着していた。

それからしばらく走らないうちに、ラ・フォーレ号は羽生PAに停車。もちろん乗客は外に出られない。岩手山SA、長者原SA、上河内SA、そして羽生PA。僕が起きていた間だけでも、ラ・フォーレ号は4回停車している。しかし、ラ・フォーレ号が何度停車したところで、僕ら乗客がバスの中で缶詰状態であることに変わりはない。

 

6時頃 首都高に入る

羽生PAから更にもう一眠りして、再び目を覚ますと、ラ・フォーレさんは何やら速度を落としている様子。いよいよ東京到着かと思い、出発してすぐに脱ぎ捨てた靴を再び履こうとしたところ、何か様子が変だ。

カーテンの外を覗くと、浦和料金所だった。

まだ首都高にさえ入っていない。クソが。

なんだかもう目が冴えてしまったので、到着まで起きていることにしよう。前の座席のオッサンも既に起きて、読書灯を点灯して何かゴソゴソやっているみたいだし。

 

6時35分 東京駅到着

ラ・フォーレ号は早着も遅延もせず、完璧に定刻通り東京駅に到着した。首都高を降りた時点で、乗客は車内放送で叩き起こされ、運転席と客席の間を仕切っていたカーテンも開かれた。長時間座り続けているせいか、足がむくんで靴が履けない。

バスを降りて感じるのは、空気の臭さとオフィス街の冷たい雰囲気。東京駅周辺は息苦しい。スマホのバッテリーが切れかけているのも相まって、とっても心細い。

 

7時00分 秋葉原駅近くのネカフェに入る

東京駅周辺の冷たい雰囲気に圧倒された僕は、馴染みやすい雰囲気の街を求めて山手線に乗り、とりあえず秋葉原を目指すことにした。

 

で、秋葉原。

雑多な感じに安心感覚えてる pic.twitter.com/DlhmCjHv93

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 12

ソフマップアミューズメント館の広告の大和に「やった!しずま絵だ!青森でもネット環境さえあればいつでも見られるしずま絵だ!」と安心する。

 

まだまだあちこちの店が開くまでに時間があるので、それまで仮眠を取れる場所をスマホでGoogle先生から聞き出し、秋葉原駅から歩いて3分くらいのネカフェに入店した。

東京の通貨って円だよね…?

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 13

お世辞にも綺麗とは言えないネカフェで、個室のドアの建て付けも悪い。しかし、きちんとした壁で仕切られた個室空間で、しかも横になって寝られることに幸せを覚える。

ついでにコミケで使う宝の地図を再確認し、艦これを起動して、遠征から帰投した艦隊を再度遠征に向かわせたりする。やはりPCとネットの存在は偉大だ。僕はPCとネットと、あと打ち心地の良いキーボードさえあれば生きていける。

 

帰りは新幹線で帰りました

E7系初めて見た pic.twitter.com/bUWnhtusos

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 14

盛岡から先は260km制限掛かる上に各停なんだよなー 青森遠すぎ

— マスタは腸液漏れる症候群 (@curemasuta) 2015, 8月 14

青森ー東京間は、東北新幹線の最速達列車でさえ3時間掛かるほどの距離だ。それを最高速度100kmの高速バスで移動するだなんて、そもそもが無謀すぎる行為だと言えなくもない。辛いのは当たり前、疲れるのは当たり前なのだ。

しかし、二度と深夜バスに乗りたくないかというと、実はそうでもない。なんだったら、次は更に長距離の路線に乗ってみたいという気持ちさえあるくらいだ。たとえばはかた号とか、あるいははかた号とか、あるいははかた号とか。

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